経済産業省の「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2022年の日本のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は22兆7,449億円、CtoC-EC市場規模は2兆3,630億円でした。
BtoC-ECは前年比9.91%増、CtoC-ECは前年比6.8%増と、いずれも増加しています。
2020年の新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時的に市場規模が減少した分野もありましたが、2021年は総じて成長を遂げており、現在も様々な分野でEC市場が拡大されてきております。
そんなEC黎明期で市場規模もどんどん大きくなってきている現在、皆様の事業においても「自社でECサイトを開設したい」と思われている方や、この記事を読まれている方の中にはすでに開設して販売を開始している方もおられるかと思います。
さて、そんな夢のあるECサイトですが、最大のリスクとして挙げられるのが、
アカウント停止・支払い停止などの所謂、「垢BAN」です。
せっかく開設して顧客も増えてきていても、垢BANされてしまってクレジット決済やコード決済が停止してしまうと、一気に売上減少に繋がり、修正できないと最悪の場合廃業のリスクもあるでしょう。
そんな垢BANを対策する方法を手順毎に解説していきますので、
- これからECサイトを立ち上げる
- 現在始めたばかりて対策できていない
という方はぜひ参考にしてみてください!
ECサイトで垢BANされる理由について考察
ECサイトで垢BANをされる理由は様々ですが、よくある理由は以下の内容です。
決済サービス会社が「こういう理由でアカウントを停止しました」と明言するこは稀で、基本的には理由は明確に教えてくれない場合が多いので、あくまで当方の推測が混じっています。
- 決済会社や決済代行会社からの信用がない
- 企業や屋号がない
- 過去に支払滞納や不渡などがある
- 信用情報が少ない
- サービス内容が規約に違反している
- アダルト関連、マルチ商法、金融、美容などのジャンルは厳しく規制されている場合が多いです。
- 虚偽の申告をしている
- 決済会社に虚偽の申告をしている場合、当然ですがバレてしまうと一発OUTになります。
規約を必ず熟読して、虚偽の申告をせずにキチンと運営しているのに垢BANされる場合、多くの理由が1番だと思います。実際、当方もその理由で決済代行企業自体は垢BANされていないものの、決済会社(VizaやMasterCardから利用拒否)された事があり、それについて調べたところ恐らく当時の年齢や信用情報の観点で「信用が無かった」のだと推測されます。
クレジット決済が使えないのであれば、決済代行企業(STORESやメンバーペイ)から垢BANされていなくても、実質垢BANと同義だと思います…
ECサイトで垢BANから事業を守る対策方法
それではECサイトで垢BANから事業を守る方法として一番の方法は何なのでしょうか。
それは「複数サービスを利用する」ことになります!
例えばアパレル販売をするのであれば、
こういった形で決済プラットフォームを分けておけば、
Stripeで垢バンされたけど、STORESが生きているから収入が0にならずに済んだ〜!
というような最悪のケースを防ぐ事が可能です。
複数プラットフォームを利用するデメリット
複数プラットフォームを利用する上でのデメリットとして大きいのは以下の通りです。
- 管理が煩雑になる
- 集客が難しくなる
プラットフォーム毎に「売上」「手数料」「振込サイクル」などが違いますので、プラットフォームを1つ増やす毎に仕訳が2倍に、煩雑になることは免れないでしょう。
また、決済代行サービスの中には「広告機能」「メルマガ機能」などが付帯している場合があり、それらを使用する場合プラットフォームが別だと、別サイトの会員には宣伝ができずデメリットとなります。その他にもそれぞれのプラットフォーム毎に検索上位に載せる(SEO対策)には、それ相応の資金が必要になるでしょう。
デメリットを克服する最も”簡単”な方法
デメリットを克服する簡単な方法をステップ毎に解説していきます。
STEP1,自社サイトを作成する
STEP2,メール配信システムの導入
STEP3,売上管理はfreeeで自動経理をしてしまう!
STEP1,自社サイトを作成する
複数決済代行サービスを使う上での1番のデメリットは「ユーザーがECサイト内を回遊できない」ということです。
例えば例えばSTORESにはECサイトを作成できる機能がありますが、そこで作成したECサイトには「他のプラットフォームの商品」を載せることはできません。
もちろん使用している全てのプラットフォームで同一の商品を複数作成すれば解決しますが、在庫の共有が難しい場合が多いので、「1つの商品につき1プラットフォーム」に指定しておかないと後々クレームにつながる可能性や余計に管理が煩雑になるなどリスクが大きくオススメできません。
しかし、自社サイトであれば話は変わってきます。
例えば、下記に合同会社楽人様のホームページを引用しておりますが、こちらのサイトでは自社サイト内に販売している商品一覧ページを作成し、そこからオンラインショップの決済画面へボタンで遷移できるようにしてあります。
このような形をとるのであれば、複数プラットフォームを作成したとしても、自社サイトの広告や宣伝をすれば、他プラットフォームに広告費をかけずとも十二分に収益が期待できるでしょう。
自社ECは通常200万円は必要になる高額サイトですが、下記のK’sHoldings株式会社が展開しているサイト制作代行ブランド「Rhapsodie(ラプソディ)」では比較的安価な60万円ほどで自社サイトを保有する事が可能ですので、まずは先行投資としてご相談してみるのも良いと思います!
STEP2,メール配信システムの導入
ECサービスの中にはメール配信サービスを利用できるものがあります。例えば皆様も使用してメールを受信した経験も多いであろう「楽天ショップ」では、購入してくれた方のうち希望された方に自動的にメルマガを送って、おすすめの商品や割引情報などを告知する事が可能です。
リピート率を向上させるための方法としてメルマガ配信を希望している方もおられるかと思いますが、自社サイトにメルマガ登録フォームや、その他オプトイン・オプトアウトに関する規定を設けておけば格安のメール配信システムを導入して解決もできます。
先ほどの例で出てきた「楽天ショップ」のメール配信機能は、
また楽天からメールが届いているよ…
とウザがられて読まずに削除されることも多いですが、自社のメルマガであれば「本当に気に入っている方のみ購読を続けてくれる」ので、比較的開封率が高くなる傾向もあると言われておりオススメです!
STEP3,売上管理はfreeeで自動経理をしてしまう!
フリー株式会社が提供している「freee会計」では、様々なプラットフォームの売上や手数料を自動経理してくれるシステムが搭載されています。それを使用することで、それぞれのプラットフォーム毎に売上管理をしなくても、全てfreee内でまとめて管理する事もできます。
また、クレジットカードや銀行口座などの連携も可能ですので、これを機に全ての経理をfreeeに切り替えるのも良いかと思います。(もちろんECサイト専用に契約したとしても十二分にお得な価格になっておりますので、スモールビジネスにもおすすめです!)
- ASKUL
- Amazon
- Amazon(セラーセントラル)
- Amazonビジネス(API)
- e-コレクト
- Airレジ
- GMOイプシロン
- Square(API)
- STORES決済
- Stripe
- スマレジ
- スマートICOCA
- nanaco(カード)
- nanaco(モバイル)
- PiTaPa
- BASE
- PayPal
- POS+
- misoca
- MakeShop
- モバイルSuica
- モバイルSuica(My JR-EAST)
- Yahoo!ショッピング
- ユビレジ
- Uレジ FOOD
- 楽天Edy
- 楽天市場
- 楽天ペイ
- LOHACO(ASKUL)
※2024/06/02現在
特にECサイトで使用しやすいサービス名は太字にしております。
ここに無いプラットフォーム(メンバーペイ)などもAPI連携を自身で出来るのであれば対応可能な場合がありますし、また出来ない場合でも「全てを1から仕分けする」よりかは遥かに楽に経理をつけられるかと思います!
実例紹介|K’sHoldings株式会社 様
先ほど格安でECの自社サイトを作成できると、紹介したK’sHoldings株式会社ですが、この会社のECサイトでは次のような方法を組み合わせてサイト構築をしているみたいです。
- 自社サイト内での有形商材の販売
- Stripeを使用。別サイトに遷移させず自社サイト内で完結(いわゆるECサイト)
- サブスクリプション
- Stripeを使用。自社サイト内で完結させるには別途費用がかかるので、あえてストライプのサイトへ一度遷移させて購入後に自社サイトへ自動リダイレクト設定をしている。
- ホームページ制作や福利厚生サービスなどの無形商材
- Stripeを使用。それぞれ別サイトを作成して電子契約などを交わした後、自社サイトを経由して販売。
- 各種OEM
- BASE、STORESを使用。自社サイトでメイン使用しているStripeを使用してしまって万が一規約違反等で垢BANされた場合に、自社の売上にも直結してしまうため、他企業のサービスをOEMや代理店としてて販売する際には別プラットフォームを介しているみたいです。
このように自社製品でメインで使用しているStripeとは別に複数プラットフォームを用意することで垢BANの対策をしていますが、お客様側から見たらどの製品も「K’sHoldings株式会社のオンラインショップで購入した」といった風に見えますので、ブランディングに繋がっている様です。
まとめ
今回はオンラインショップ、ECサイトを運営する上で、販売側の1番のリスクである「垢BAN」について解説しました。
もちろん他にもセキュリティ面から情報漏洩や、メール配信におけるオプトイン規制、特商法、電通法など様々なリスクがありますので、全てを一人で解決するのは中々骨が折れる作業です。
何度か紹介しているK’sHoldings株式会社では、それらの課題を総合的に解決しつつ、自社ECサイトも作成できるかと思いますので、まずは無料相談・無料見積もりをとってみてはいかがでしょうか?